今回ご紹介するのは、姉妹店である「はん次郎浦和店」からご注文いただいた、男性用実印の納品実例です。
お作りした印鑑は、次の仕様です。
男性用実印
・白牛角
・18.0mm
・印相体
・フルネーム彫刻
・姓名鑑定付き
・一級彫刻士による完全手彫り
お客様は、実印を作るにあたり、
「せっかく作るなら、手彫りで一生使えるものがいい」
という明確なご希望をお持ちでした。
そして、接客の中で何度もおっしゃっていた言葉があります。
「印鑑は大切なものだから。」
この言葉が、今でも強く印象に残っています。

ホームページをご覧になり、浦和店へご来店
今回のお客様は、ホームページをご覧になり、はん次郎浦和店へご来店くださいました。
はん次郎浦和店では、即日作成が可能な機械彫りの印鑑だけでなく、石原印房の一級彫刻士による完全手彫り印鑑もご注文いただけます。
そのため、
「近くで相談したい」
「印材を実際に見て選びたい」
「手彫りの実印を作りたいけれど、群馬まではなかなか行けない」
という埼玉県や東京都のお客様にも、浦和店を窓口としてご利用いただいています。
今回のお客様も、実際に印材をご覧になりながら、実印の大きさ、素材、書体、彫刻方法について、一つひとつご相談くださいました。
「安く作れればいい」ではなく、「一生使えるものを」
現在では、印鑑はインターネットでも簡単に購入できます。
価格だけを見れば、驚くほど安い印鑑も数多く販売されています。
注文画面で名前を入力し、素材と書体を選べば、数日後には自宅へ届く。
便利な時代になったことは間違いありません。
しかし、今回のお客様が求めていたのは、単に名前が彫られていればよい印鑑ではありませんでした。
これから先、人生の大切な場面で長く使い続けられる実印。
そのために、素材や大きさだけでなく、彫刻方法にもこだわりたいと考えていらっしゃいました。
お客様は、
「実印は何度も買い替えるものではない」
「どうせ作るなら、きちんとしたものを持ちたい」
「一生使えるものにしたい」
というお気持ちをお持ちでした。
その考え方は、石原印房が長年大切にしてきた印鑑づくりの価値観と、まさに重なるものでした。
印鑑を「ただの道具」と考える方が増えた時代
印鑑に対する価値観は、時代とともに大きく変化しています。
以前は、成人、就職、結婚、住宅購入、独立、会社設立など、人生の節目に合わせて、家族が本人のために印鑑を用意することが珍しくありませんでした。
実印は、その人の責任や信用を表す大切な道具として扱われていたのです。
ところが近年は、電子契約やキャッシュレス化が進み、印鑑を使用する場面そのものが減っています。
その影響もあり、
「登録できれば何でもいい」
「急いでいるから、とりあえず安いものでいい」
「一度しか使わないかもしれない」
と考える方も増えてきました。
もちろん、印鑑に何を求めるかは人それぞれです。
すべての方が高価な印鑑や手彫りの印鑑を持つ必要はありません。
しかし、印鑑を単なる手続き用品として考える方が増える中でも、今回のお客様のように、
「印鑑は大切なものだ」
と今も考えている方が、確かにいらっしゃいます。
私たちは、その事実を非常にうれしく思っています。
なぜ実印は大切なのか
実印は、市区町村に登録し、印鑑証明書とともに本人の意思を示すために使用される印鑑です。
日常的に使う認印とは異なり、重要な契約や手続きで求められることがあります。
たとえば、
・不動産の売買
・住宅ローンの契約
・自動車の購入や売却
・相続に関する手続き
・会社設立や法人関係の契約
・各種保証契約
などです。
実印を押すということは、その契約内容について本人が責任を持つ意思を示すことでもあります。
そのため、実印は使用頻度だけで価値を判断するものではありません。
たとえ年に一度しか使わなかったとしても、その一度が人生において非常に重要な契約である可能性があります。
だからこそ、
「普段あまり使わないから安いものでいい」
という考え方だけでなく、
「大切な場面で使うものだから、信頼できるものを持ちたい」
という考え方もあるのです。
今回のお客様は、まさに後者でした。
白牛角18.0mmを選ばれた理由
今回お選びいただいた印材は、白牛角です。
白牛角は、天然素材ならではの美しい色合いと、上品な艶を持つ印材です。
一本ごとに模様や色の入り方が異なり、同じものが二つとないことも魅力の一つです。
手に取ったときの質感にも高級感があり、実印や銀行印など、長く大切に使う印鑑として人気があります。
また、今回の実印は18.0mmでお作りしました。
男性用実印としては、15.0mm、16.5mm、18.0mmなどが一般的な候補となりますが、石原印房では、長く使う男性用実印として18.0mmをおすすめすることがあります。
18.0mmは印面が大きいため、フルネームをゆったりと配置できます。
文字の流れや空間の使い方にも余裕が生まれ、堂々とした印影に仕上げることができます。
大きさがある分、押印した際にも存在感があり、人生の重要な場面で使用する実印にふさわしい風格が生まれます。
もちろん、大きければ必ずよいというわけではありません。
手の大きさ、持ちやすさ、好み、予算、登録する自治体の規定などを踏まえたうえで選ぶことが大切です。
今回は、お客様の「一生使える実印を持ちたい」というご希望に、白牛角18.0mmが非常によく合っていました。
印相体でフルネーム彫刻
書体には、印相体をお選びいただきました。
印相体は、文字が外枠へ向かって伸びるように構成され、複雑で重厚感のある印影に仕上がる書体です。
実印や銀行印で選ばれることが多く、フルネームとの相性にも優れています。
今回のように18.0mmの大きな印面へフルネームを彫刻する場合、文字数や画数、全体のバランスを見ながら、一文字ずつ配置を整えていきます。
単に文字を均等に並べるのではありません。
名前全体の流れ、文字同士のつながり、外枠との接点、朱肉が付く部分と白く抜ける部分の割合などを考慮しながら、一本の印鑑としてまとまりのある印影を作ります。
特にフルネームの実印は、姓だけの印鑑よりも文字数が多くなるため、印面設計の良し悪しが仕上がりに表れやすくなります。
だからこそ、職人の経験と技術が重要になります。
姓名鑑定付きで印影を設計
今回は、姓名鑑定付きでお作りしました。
石原印房の姓名鑑定は、印鑑の品質を補完する付加価値としてご提供しています。
鑑定だけを前面に出して印鑑を販売するのではなく、あくまで印材、印影設計、彫刻技術、耐久性といった印鑑そのものの品質を大切にし、そのうえでお名前に合わせた印影を整えていきます。
姓名鑑定を希望される方の多くは、単なる占いとしてではなく、
「これから長く使うものだから、できるだけ良い形で作りたい」
「自分の名前を大切に扱ってほしい」
「人生の節目に意味のある一本を持ちたい」
というお気持ちをお持ちです。
今回のお客様の「印鑑は大切なもの」という考え方とも、非常に相性のよいご注文内容でした。
一級彫刻士による完全手彫り
今回の実印は、一級彫刻士による完全手彫りで仕上げました。
完全手彫りでは、印面へ文字を写し、職人が一本ずつ刃物を使って彫刻していきます。
印材の硬さや繊維の向き、文字の太さ、曲線、交差部分などを確認しながら、少しずつ彫り進めます。
同じ名前であっても、文字の組み方や線の流れ、余白の取り方まで完全に同じにはなりません。
その人のために設計し、その人のために彫刻された、一本限りの印鑑となります。
手彫りの価値は、単に「機械を使っていない」という点だけではありません。
一本の印鑑に対して、職人が時間と責任をかけて向き合うことにあります。
機械彫りには、短納期や安定した品質という優れたメリットがあります。
一方、完全手彫りには、印影の個性、彫刻の深み、職人の技術、一本限りの特別感があります。
どちらを選ぶかは、お客様が印鑑に何を求めるかによって変わります。
今回のお客様は、短納期や価格よりも、
「一生使えるものを、きちんとした手彫りで作りたい」
という価値を選ばれました。
一生使うためには素材だけでなく保証も重要
どれほど良い素材を使い、丁寧に彫刻した印鑑であっても、長年使用していれば、落下や摩耗などにより欠ける可能性はあります。
実印は、数十年にわたって使うこともあるものです。
そのため、購入時の品質だけでなく、購入後の保証も重要だと石原印房では考えています。
石原印房の手彫り印鑑には、一生涯保証をお付けしています。
万が一、通常の使用の中で印面が欠けてしまった場合には、保証内容に基づいて対応いたします。
また、紛失や盗難の場合についても、再作成時の負担を抑えられる制度を設けています。
「一生使える印鑑」とは、絶対に壊れない印鑑という意味ではありません。
長く使うことを前提に、何かあったときも責任を持って対応できる体制まで含めて、初めて一生使える印鑑になると考えています。
印鑑を大切にする気持ちは、なくなっていない
日々接客をしていると、印鑑への意識が以前より薄くなっていると感じることがあります。
必要になったその日に作り、手続きが終わればほとんど使わない。
印材や彫刻方法については特に気にしない。
そうした考え方も、現代では自然なものかもしれません。
しかし今回のお客様のように、
「実印は大切なもの」
「一度作るなら良いものを持ちたい」
「自分の名前を彫るものだから、きちんと選びたい」
と考える方も、今も確かにいらっしゃいます。
そして、そうした方は決して少数ではありません。
ホームページをご覧になり、時間をかけて店舗へ足を運び、素材を見て、説明を聞き、自分が納得できる一本を選ぶ。
その姿を見るたびに、印鑑という文化や価値が、完全になくなったわけではないと実感します。
便利さや価格だけでは測れない価値を求める方は、今もいらっしゃるのです。
石原印房が、これからも守り続けたいもの
石原印房は、創業以来、印鑑を単なる商品として扱わないことを大切にしてきました。
印鑑は、お客様のお名前や会社名を彫刻し、大切な意思決定の場面で使用されるものです。
だからこそ、
・誰が彫ったのか
・どのような印材を使ったのか
・どのように印影を設計したのか
・購入後に何かあった場合、誰が責任を持つのか
ということが重要だと考えています。
大量に売ることや、安さだけで選ばれることを目指しているわけではありません。
印鑑を大切なものとして考え、品質や職人の技術に価値を感じてくださる方に、安心して選んでいただける店でありたいと思っています。
今回のお客様の言葉は、私たちがこれから先も何を大切にしていくべきかを、改めて教えてくれました。
「印鑑は大切なものだから。」
その想いに応えられる印鑑店であり続けること。
それが、石原印房の役割です。
はん次郎浦和店から手彫り印鑑をご注文いただけます
石原印房の手彫り印鑑をご希望の場合、群馬県みどり市の石原印房だけでなく、埼玉県さいたま市のはん次郎浦和店でもご相談いただけます。
浦和店では、実際に印材をご覧いただきながら、
・実印の適切なサイズ
・印材ごとの特徴
・書体の違い
・姓のみかフルネームか
・機械彫りと手彫りの違い
・納期やご予算
・姓名鑑定について
などをご説明しています。
その場で無理に高価な印鑑をおすすめすることはありません。
お客様が何を重視しているのかをお伺いし、必要に応じて機械彫りと手彫りの両方をご案内します。
「今日中に必要」という方には機械彫り。
「時間がかかっても、一生使える一本を作りたい」という方には完全手彫り。
それぞれのご希望に合った方法をご提案することが、最も大切だと考えています。
まとめ
今回ご紹介したのは、はん次郎浦和店からご注文いただいた男性用実印の納品実例です。
お作りしたのは、
白牛角18.0mm、印相体、フルネーム彫刻、姓名鑑定付きの完全手彫り実印。
お客様は、
「せっかく作るなら、手彫りで一生使えるものがいい」
とご希望され、接客中にも何度も、
「印鑑は大切なものだから」
とお話しされていました。
印鑑に対する意識が薄くなっているといわれる時代でも、印鑑を人生の大切な道具として考え、品質や職人の技術を重視する方は、今も確かにいらっしゃいます。
石原印房は、これからもそのようなお客様に選んでいただけるよう、一本一本の印鑑に責任を持ち、職人による丁寧な印鑑づくりを続けてまいります。
一生使える実印を作りたい方、手彫りと機械彫りの違いを詳しく知りたい方、白牛角や御蔵島本柘などの印材を実際に見て選びたい方は、石原印房またははん次郎浦和店へお気軽にご相談ください。



