唯一無二の印影を守ることが、職人としての矜持です

こんにちは。群馬県みどり市にて創業100年を迎える印鑑専門店、**石原印房(株式会社柏葉堂グループ)**です。

本日は、当店の「もっとも大切にしている信頼のルール」のひとつ、
**『複印(=印影の複製)は一切いたしません』**というポリシーについてご紹介します。

この考えは、時代がどれほど変わっても、私たちの根幹にあり続ける職人としての矜持です。


複印(ふくいん)とは?

「複印」とは、すでに存在する印影(印鑑のカタチ)と同一の印鑑を再び作成することを指します。

たとえば:

  • 過去にご注文いただいたお客様から、「同じ印影でもう一本作ってほしい」
  • 別の人から「この印影とまったく同じ印鑑を作ってください」
  • 法人で使用していた印鑑の再作成を、新たな担当者から依頼された

このようなケースでも、石原印房では絶対に複製は行いません。

たとえご本人であっても、「過去と同じ印影で」というご依頼には応じず、必ず一から再設計した別の印影で制作いたします。


なぜ複印をしないのか?──それは「印鑑の信頼」を守るため

印鑑とは、単なる道具ではありません。
それは、その人の“意志”を証明するためのしるしです。

つまり、印影はその人自身、またはその法人そのものの“象徴”です。
だからこそ、同じ印影が複数存在することは、法的にも倫理的にも危険なのです。

印鑑が使われる場面には、以下のようなものがあります。

  • 実印の登録と重要書類の押印
  • 銀行口座の開設・引き出し
  • 法人登記や契約締結
  • 相続、売買契約などの法律行為

このような重い場面で使われる印鑑が、「同じ印影で複数存在する」状態では、
印鑑の信頼性自体が失われてしまいます。


印鑑は「唯一無二」でなければ意味がない

たとえば、実印。
市区町村に印鑑登録をした「実印」は、その印影と登録された人物が法的に同一とみなされる証明道具です。

そんな実印が、同じ印影で2本存在したらどうなるでしょうか?

  • 第三者が不正に使用する
  • 書類に押された印影が「本物かどうか」区別できない
  • 本人の意思でない契約に効力が出てしまう

こうしたリスクを防ぐため、私たちは絶対に複印をしないというルールを守り続けています。


複印依頼を受けた際の対応について

これまでにも、以下のようなご相談がありました。

「過去にこちらで作った印鑑とまったく同じものをもう一本ほしい」
「会社の担当が変わったので、同じ印影で再発注したい」
「以前の印鑑をなくしたから、控えから再度作ってくれないか」

いずれも、お客様の立場や事情はよく理解できます。

しかし石原印房では、以下の対応を徹底しています。

  • ✅ 旧印影の控え・データは破棄、または一切保存しておりません
  • ✅ 「同じものをもう一度」は全く同一には作成いたしません
  • ✅ ご本人であっても再設計・再構成による別印影での制作のみ承ります

このルールを曲げることは、お客様だけでなく、
すべてのご依頼者の信頼を損なう行為につながってしまうからです。


“唯一性”を守るための制作体制

石原印房では、すべての印鑑を一級印章彫刻士が完全手彫りで制作しています。
機械やテンプレートに頼らず、1本ずつ丁寧に設計・下書き・彫刻を行います。

これは、複製が不可能な唯一の印影を作るための仕組みでもあります。

  • 📌 一文字一文字を“その人のため”にバランス設計
  • 📌 印面のカーブ・筆圧・太さ・流れがすべて異なる
  • 📌 完成後の印影は、職人自身も“再現不可能”

つまり、私たち職人自身でさえ、同じものをもう一度彫ることはできません。

これが「唯一無二の印影」である証であり、石原印房の信頼の源です。


“複印しない”という選択は、信頼を守ること

ネット印鑑や大量生産品では、印影のパターンをテンプレート化して共有しているケースもあります。
その場合、「知らないうちに似た印鑑が流通している」可能性すらあるのです。

石原印房では、お客様がその印鑑を何年・何十年と使っても、不安なく押印できることを大切にしています。

  • 🟩 素材の品質
  • 🟩 技術の確かさ
  • 🟩 そして「誰ともかぶらない」唯一性

この3つが揃ってこそ、安心して一生使える印鑑になるのです。


法律上も「同一印影」はトラブルの原因に

ご存知の方も多いかもしれませんが、刑法第159条には「私印偽造罪」があります。
これは、本人に無断で私印(実印・銀行印など)を作成・使用した場合に適用されます。

つまり、複製印影が悪用された場合、

  • 不正行為に巻き込まれるリスク
  • 印鑑登録の無効化
  • 銀行や役所とのトラブル

といった現実的な問題が発生する恐れもあります。

だからこそ、職人の側が“印鑑の唯一性”を守る姿勢を明確にする必要があるのです。


■ 最後に──「あなたのための一本」を

石原印房では、すべての印鑑を「あなたの人生のための一本」として制作しています。
ご注文をいただいたその時点で、私たちが守るべきものは、単なる納期や価格ではなく、あなたの信頼です。

その信頼を裏切らないために──

  • 複印は一切行いません
  • 印影の再利用はしません
  • 完全オリジナルの手彫りでお届けします

それが、創業100年を超える印鑑店としての矜持であり、柏葉堂グループとしての信念でもあります。

もし、印鑑づくりで不安なことがあれば、どんなことでもご相談ください。


📍店舗情報

石原印房(株式会社柏葉堂)
〒376-0101 群馬県みどり市大間々町大間々965
営業時間:9:00〜18:00(平日・土曜)
定休日:日曜・祝日
TEL:お問い合わせフォームまたはお電話にて
🐈看板猫:ぶっち店長が静かに見守っています