一級彫刻士完全手彫り印鑑

こんにちは。群馬県みどり市で創業100年を迎える印鑑専門店、**石原印房(いしはらいんぼう)**です。

私たちの店には、いわゆる「商品棚」はありません。
印鑑がずらりと並び、素材の値札やセット価格が貼られているような陳列もありません。

それはなぜか?

私たち石原印房が、印鑑を「ただの道具」「すぐ買える商品」だとは思っていないからです。
印鑑とは、人の人生や思いに寄り添う“証”。
一人ひとり異なる物語と役割を背負うべき、**“創るもの”**だと考えているからです。


なぜ陳列をしないのか?

私たちの店舗を訪れた方は、少し驚かれるかもしれません。

「印鑑屋なのに、どこに商品があるの?」
「サンプルも並んでいないの?」

はい。意図的に、何も並べていないのです。

なぜなら、私たちはまず「ヒアリング」から始めたいからです。
素材や価格の話をする前に、その人の背景や、印鑑を作る目的をじっくりお聞きしたいのです。


落ち着いたカウンターで、一対一の対話から

石原印房には、落ち着いた雰囲気のカウンターがあります。
椅子に腰を下ろし、お茶を飲みながら、
お客様とゆっくりお話しすることを大切にしています。

たとえば、こんなお話を伺います。

  • 「この春、娘が大学を卒業して就職するので、実印を贈りたい」
  • 「父が亡くなって、相続の手続きが必要に。でもどういう印鑑を用意すればいいのか…」
  • 「新しく法人を立ち上げる。信頼感のある角印を作りたい」
  • 「実は、結婚を考えていて…銀行印を夫婦で一緒に作りたいんです」

このような背景があるからこそ、「ただ在庫から選ぶ」ことはできないのです。

私たちは、印材や書体、サイズの話をする前に、
「あなたにとって、今回の印鑑はどんな意味を持つのか?」を知りたいと思っています。


印材・書体の提案は「人生の設計」の一部

ヒアリングを通して、私たちはその方の悩み、希望、願いを知ります。

  • 「家庭の中でもう少し自信を持ちたい」
  • 「仕事でステップアップしたい」
  • 「家庭運をよくしたい、健康運を保ちたい」

そうした“内にある想い”を丁寧に受け取り、
その人のためだけに印材と書体を選び抜いてご提案いたします。

たとえば……

  • 🔸木のぬくもりと優しさが合う方には「御蔵島本柘」
  • 🔸芯がしっかりとした強さを求める方には「黒水牛(芯持ち)」
  • 🔸家系や伝統を重んじる方には「象牙(特上・横目)」
  • 🔸書体は、意志の強さを感じる「印相体」か、読みやすさと美しさの「篆書体」か…

印鑑は、名前を刻むだけのものではありません。
そこに込められる想いや願いを形にするからこそ、“創る意味”があるのです。


「印鑑相談」は、人生相談でもある

これは冗談ではなく、実際によく言われることです。

「石原さんと話してたら、なんか人生相談になってました(笑)」

大歓迎です。

印鑑を作るというのは、たいていの場合、
なにか“人生が動くタイミング”です。

  • 就職
  • 結婚
  • 独立起業
  • 相続
  • 離婚
  • 進学
  • 夢のスタート

つまり、お客様の心の中には「不安」や「希望」が同時にあるのです。

私たちは、その気持ちに耳を傾けてこそ、
本当にふさわしい一本をご提案できると信じています。


手彫りだからこそできる「完全オーダー設計」

石原印房では、すべての印鑑を一級印章彫刻士が完全手彫りで制作しています。

機械で彫れば、早く・均一に・安く仕上がります。
しかし、個人の願いに寄り添う一本を機械に任せることはできません。

私たちは、ヒアリングで得た情報をもとに、
紙に下書きを起こし、一画一画を微調整しながら、
お名前に流れと意味を込めて彫り進めます。

そのため、印面の設計はすべて一点物。
世界にひとつだけの印鑑が出来上がります。


■ 価格より、「納得感」と「安心感」

「ネットの印鑑より、少し高いですね」と言われることもあります。

はい、その通りです。
ですが、お帰りになる頃には、ほとんどの方がこうおっしゃいます。

「すごく納得して買えました」
「一生使えるものだから、ちゃんと選んでよかった」
「ここに来てよかったです」

これは、私たちが「売る」のではなく「共に創る」姿勢で向き合っているからこそ、
お客様にも伝わっているのだと思っています。


■ ぶっち店長も、静かに見守っています

余談ですが、当店には看板猫「ぶっち店長」がいます。
気まぐれに入口でお出迎えをしたり、カウンターの隅でお昼寝したり。

その“ぶっちのゆるさ”が、初めてのお客様の緊張をほぐしてくれることも多々あります。
「動物がいる空間は安心できる」と言っていただくことも。

猫のいる印鑑屋。
ちょっと不思議な空間ですが、
人も猫も、「心を整える場所」でありたいと願っています。


■ 最後に——あなたのためだけの一本を

印鑑は、人生の岐路で使う道具です。
だからこそ、自分にとって納得できる一本を持ってほしい。

私たちは、そのために陳列をやめました。
価格やスペックではなく、「想い」から始める印鑑づくりにこだわり続けています。

まずはお気軽に、カウンターに座ってみてください。
どんな話でもかまいません。
そこから、あなただけの一本を一緒に創っていきましょう。

📍店舗情報

石原印房(いしはらいんぼう)
〒376-0101 群馬県みどり市大間々町
営業時間:9:00〜18:00(平日・土曜)
定休日:日曜・祝日
TEL:お問い合わせフォームまたはお電話にて
🐈看板猫:ぶっち店長(気まぐれ勤務)