こんにちは。群馬県みどり市の老舗印鑑店「石原印房」です。
創業からおよそ100年、初代・赤城刀仙の時代から「本物の印鑑を届ける」という信念を受け継ぎ、今も変わらず“完全手彫り”にこだわり続けています。

本日は、当店でお作りしている「印鑑ができるまで」の工程をご紹介します。
「印鑑は人生の節目に使う、一生モノの大切な道具」。だからこそ、すべての工程に妥協はありません。
この記事を通じて、印鑑の奥深さ、そして私たちの想いが伝われば幸いです。

こちらは荒彫の作業風景です。
まずは大きく削ってから細かく修正いきます

1. 印材の選定 ― 材料にも「意味」がある

印鑑作りの第一歩は、印材選びです。
当店で扱うのはすべて厳選した天然素材。特に人気のあるものをご紹介します。

  • 御蔵島本柘:国産の本柘は繊維が細かく、彫刻の精度が抜群。長年使うには最適の素材です。
  • 黒水牛:耐久性に優れ、しっとりとした手触り。艶のある黒色がビジネスシーンで人気。
  • 象牙:その美しさと重厚感はまさに印材の王様。代々引き継ぐ家系印として選ばれることも。
  • 白牛角(芯持ち)※オランダ水牛ともよびます:乳白色の美しい色味が特徴で、女性にも人気の素材です。
  • アグニ:赤茶のグラデーションが美しい新素材で、個性を出したい方に好評です。

素材にはそれぞれの特徴と意味があり、お客様の用途や好みに合わせてご案内しています。


2. 字入れ ―「魂」を込める瞬間

印鑑は「彫る前にすべてが決まる」と言っても過言ではありません。
もっとも重要なのは、文字の配置とデザインを決める「字入れ」です。

当店では、職人がひとつひとつのお名前に想いを込め、文字のバランス・運気・格を見ながらレイアウトを決定します。
印相体・篆書体・古印体などの書体に加え、姓名判断もオプションで対応しております。

先日ご来店されたお客様は、娘様の成人のお祝いに「アグニ15.0mm」で実印を制作されました。
「一生使える印鑑を、心を込めて作ってもらいたい」というお言葉をいただき、職人一同、自然と背筋が伸びました。


3. 面体・荒彫り― 熟練の技術の世界

字入れが終わったら、面体(印面を平らにする作業)をいよいよ彫刻作業に入ります。

当店の印鑑は、一級彫刻士が完全手彫りで仕上げるものです。
荒彫り → 確認・修正 → 仕上げと、段階を踏んで、少しずつ印影を形にしていきます。
印刀の感触や材質のクセを手で感じながら彫っていくこの工程には、最低でも20年以上の経験が求められます。

実際に、私どもの職人は「一彫一魂」の精神で1本1本に命を吹き込んでいます。
コンピュータ彫刻では表現できない“にじみ”“ゆらぎ”“余白”が、手彫り印鑑の美しさと品格を生み出しています。


4. 仕上げと捺印チェック ― 一生の保証を支える「最終工程」

すべての彫刻が終わったら、余分な粉を落とし、断面を磨いて仕上げます。
最後に、捺印をして“彫りムラ”がないか、印影が読みやすいかを細かく確認します。
さらに印材の傷の再確認。彫刻時、印材に傷がついていないかを再度確認いたします。
この最終チェックを通過したものだけが、お客様のもとへとお渡しされます。

もちろん、当店の印鑑はすべて「一生涯保証付き」
たとえば摩耗してきた場合、欠けた場合などには無償で再彫刻や補修を承っております。


5. まとめ ― 印鑑は「物」ではなく「宝」です

印鑑はただの事務道具ではありません。
それはあなたの「信用」や「意志」を形にした、大切な人生の伴侶です。

石原印房では、初代・赤城刀仙から続く「本物へのこだわり」と、「地域の皆様への感謝」を胸に、今日も一つひとつ丁寧に印鑑を彫り続けています。

群馬県みどり市だけでなく、桐生市・太田市・伊勢崎市・前橋市・足利市など、近隣からもたくさんのお客様にご来店いただいております。
「本物の印鑑を、信頼できる職人に任せたい」という方は、ぜひ一度、石原印房にお越しください。


店舗情報

石原印房
群馬県みどり市大間々町大間々065)
営業時間:9:00〜18:00(土曜も営業)
定休日:日曜・祝日
TEL:0277-72-3618